よみ:いりあいけん
一定の地域の住民が特定の森林、原野、漁場等を共同で利用する権利。民法で物権として認められている権利である。入会権の対象となっている土地を「入会地」という。
民法は、入会権を、利用する土地等を共有する性質がある場合と特定の目的に従って利用するだけの性質の場合に分類し、前者は所有権の共有の規定を、後者は地役権に規定をそれぞれ準用するとしたうえで、地域の慣習に従うとしている。もっとも、民法は入会権の内容についてなんら規定しておらず、その内容、効力等は地域の慣習によって定まることとなる。
入会権を有する人々の集団が「入会団体」で、その大部分は「代表者が定められていない権利能力なき社団」であると考えられている。そして、入会権による使用収益や入会地管理の形態は、慣習に応じて区々であって、明確でない場合もある。
なお、入会地の農林業上の利用を増進するため、「入会林野等に係る権利関係の近代化の助長に関する法律」に基づき、入会権利者の合意によって入会権を消滅させ権利関係を明確にするしくみが定められている。