他人の物を売買すること。民法では、他人の物を売買する契約も有効な契約であるとしている。
本来、他人の物を売買することは当初から不可能であるので、そのような売買契約の効力を無効とするという考え方もあり得る。しかしわが国の民法では、他人物の売買契約であっても、当事者間(売主と買主の間)では有効な契約であることを想定した規定が定められている。
他人物を売買したときには、売主は、権利を取得して買主に移転する義務がある。この義務を果たせない場合には、売主は契約不適合責任を負うこととなる。
この場合、履行の追完は無理であるから、損害賠償請求または契約解除権の行使によって契約不適合責任を追及することとなる