よみ:ぶっけんのしゅうよう
収用では、収用の対象になるのは原則として土地だけである。土地上に物件が存在する場合は、その物件を他所へ移転させなければならない。このとき、物件の移転料を起業者が支払う必要がある。この損失補償を「移転料の補償」という(土地収用法第77条)。
しかしながら、物件の移転自体が著しく困難であるときは、その物件の所有者は、その物件の収用を請求できるとされている(土地収用法第78条)。
また、物件を移転することにより、従来の物件の使用目的を継続することが著しく困難になる場合も、同様に物件の収用を請求できる(土地収用法第78条)。
また物件の移転料が、物件そのものの価格を超えるときは、移転料が多額であることを理由として、起業者の側から、物件の収用を請求することができる(土地収用法第79条)。