よみ:きせいかんわ
民間の産業活動や事業活動に対する政府の規制を縮小すること。
政府は、民間事業の活動について、安全の確保、技術基準の統一、競争の適正化、消費者の保護などさまざまな観点から規制を加えているが、これを緩和して活発な産業活動を促す政策が取られている。例えば、すでに行なわれた規制緩和としては、タクシー台数の制限撤廃、電力自由化、酒類免許制度の撤廃、農業への株式会社参入などがある。
不動産業に関係する規制緩和としては、土地利用に関する規制の緩和が進められ、容積率や高さ制限などの見直しが推進された。
規制緩和は、社会の秩序を維持する方法として市場メカニズムをよりいっそう活用しようという考え方にもとづくもので、その背景には、社会経済活動の効率性を高めることが善であるという価値判断がある。しかし一方で、公共性を確保することも重要であり、規制緩和による弊害が生じていないかどうかに注意が必要である。
なお、規制緩和に似た政策として政府業務の民間開放がある。政府企業の民営化、指定管理者制度、PFI、市場化テストなどがそれであるが、市場メカニズムを活用することは規制緩和として共通しているものの、事業の主体を政府から民間に移すことに主眼があり、規制緩和とは別の政策として考えるべきであろう。