よみ:はいしゅつりょうとりひき(おんしつこうかがすの~)
割り当てられた温室効果ガス(二酸化炭素など)の排出量を取引することをいう。
地球温暖化への対応のために2005年2月に発効した京都議定書では、先進国の温室効果ガスの排出量の削減目標を定めるとともに、その達成のため、温室効果ガスの排出量を割り当てた上で、その排出量を取引する制度(京都メカニズム)が創設された。
議定書では、排出量の取引方式として次の3種類を認めている。
1.国際排出量取引:先進各国に割り当てられた排出枠を売買する方式
2.クリーン開発メカニズム(CDM):先進国が途上国の排出削減プロジェクトを支援し、その削減量に応じて排出枠を得る方式
3.共同実施(JI):先進国間で排出削減プロジェクトを行ない、削減量に見合う枠を相互に融通する方式
これらの取引によって、経済的なインセンティブを活かした排出量の削減が可能となるとされる。
排出量の取引に際しては、取引当事者間での専門的な交渉等が必要である他、排出削減プロジェクトの立案、審査、実施や削減量の検証などの業務を伴う。また、排出量取引を仲介するなどの取引に対するサービスも拡大し、取引所機能も実現している。これら排出量取引に関するさまざまな業務を一括して「排出権ビジネス」ということがある。