よみ:あおいろしんこく
個人が、不動産の貸付け業などの事業を営んでいる場合には「確定申告」を行なう必要があるが、毎日の取引を正確に記録して、所得や税金の計算を正確に行なっている個人については、国が所得税法上のさまざまなメリットを与えるという制度が設けられている。
この制度のことを「青色申告」という。
青色申告を行なう個人には、次のような所得税法上のメリットがある。
1.一定要件を満たす「家族従業員」に支払った適正な給料・賞与(これを青色事業専従者給与という)は、必要経費となる。
2.複式簿記に従って青色申告決算書を完成させることにより、所得から最高55万円(e-Taxを利用した確定申告書の提出もしくは電子帳簿保存で最高65万円)の特別控除を受けることができる。
3.複式簿記によらないで青色申告決算書を完成させた場合には、上記2.に代わって、所得から45万円の特別控除を受けることができる。
なお、青色申告を行なうためには、青色申告を行なおうとする年の3月15日までに、税務署に「承認申請書」を提出することが必要である(ただしその年の1月16日以後に業を開始した場合には、開始した日から2ヵ月以内に「承認申請書」を提出すればよい)。
また、不動産の貸付けから生じる所得(不動産所得)のある個人が、上記1.から3.のメリットを享受するには、不動産の貸付けが「事業的規模」に達していることが必要である。