よみ:ぱたん・らんげーじ
良好な環境を設計し建設するための計画原理の集合。英語のpattern languageで、クリストファー・アレグザンダー(Christopher Alexander:オーストラリア)が提案した設計・建設のために使う共通用語である。
253の「パタン」という計画原理で構成される。パタンは、地域のかたち、場所の性質、空間の状態、建物や部屋の有様、設備の状態などに関する命題で示され、これらのパタンを選択的に使って設計・建設することで、良好な環境に備わっている「有機的秩序」(全体と部分とが相互に関連し合うような秩序)を生み出すことができるとする。また、パタンは理解しやすいため、誰もがデザインのプロセスに参加することができると考えられている。
例えば次のように示されている(カッコ内の数字はパタンの番号)。(クリストファー・アレグザンダー『パタン・ランゲージ―環境設計の手引』(平田翰那訳)鹿島出版会 1984年)
・複合建物(95)
けっして一枚岩的な大きい建物をつくらないこと。できれば、建物の各部分が現実の生活実態を表明する複合建物になるよう、つねに自分の計画を修正すること。低密度地区では、アーケード、歩行路、連絡橋、共有庭、さかい壁などでつながる小さい建物の集合体になるであろう。
・造りつけの腰掛(202)
腰掛けを設ける前に、古い肘掛椅子か長椅子を用いて、腰掛けを設けようと思う位置に置いてみること。本当に気に入る位置が見つかるまで動かすこと。2、3日の間そのままにし、そこに座るのが楽しいかどうか確認すること。さもなければまた動かすこと。お気に入りの場所が見つかり、たびたびそこに座るようになれば、そこが正しい位置である。
・自分を語る小物(253)
近代装飾はしゃれてないとだめだとか、サイケ調にすべきだとか、「ナチュラル」な感じがよいとか、「モダンアート」風が好ましいとか、「プラント」を置くべきだといった、今時の流行仕掛人たちの言にごまかされないこと。自分の生活がそのままにじみ出ているもの(自分の大切にしている物や自分を物語るもの)が、いちばん美しい。