よみ:こうきょうけん
市民社会を支える制度的な基盤。市民が自生的に形成する独自の社会領域である。ドイツの社会学者ユルゲン・ハーバーマス(Jürgen Habermas)が1999年に提示した概念で、社会学だけでなく、政治学などでも広く受け入れられている。また、まちづくりに当たっても有益な概念である。
ハーバーマスによると、公共圏は、市場や政府組織とは異なる領域で、市民の自由意思に基づいて、経済的、国家的な仕組みとは独立に、共同で意思決定し、連帯的な結合を形成・維持されているとされる。そして、公共圏が形作られるのは、自生的に成立した団体・組織・運動が私的領域の共感を集約・増幅することによってであり、自立した個人が生活世界に根差してコミュニケーションを図る場として機能するとされている。