よみ:はんばいようふどうさんのひょうかげん
不動産会社・建設会社が商品在庫として保有する販売用不動産について、その時価が取得価額よりも下落したときに、評価額を減じて決算することをいう。
通常の販売目的で保有する棚卸資産については、取得原価をもって貸借対照表価額とし、期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、収益性が低下しているものとみて下落価額を損失計上し、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額とすることとされている。販売用不動産についても、同様の考え方を適用し、正味売却価額により評価しなければならない。
評価額は、開発の可能性に応じて次の算式によって算定する。
i)開発の見込みがないとき
販売用不動産の正味売却価額 = 販売見込額ー販売経費等見込額
ii)開発が見込まれるとき
開発事業等支出金の正味売却価額 = 完成後販売見込額ー(造成・建築工事原価今後発生見込額+販売経費等見込額)
なお、販売用不動産については、時価が取得価額より50%以上の下落を示したときには強制的に評価を減じる措置(棚卸資産の強制評価減)が定められていたが、2009(平成21)年にこの措置は廃止された。しかし、評価減を損失として処理する考え方に変わりはない。