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不動産を売買したり、贈与・相続したりする際は所有権移転登記が必要です。
所有権移転登記を行わずにいると、所有権を主張できず、第三者に乗っ取られるといったトラブルに発展する可能性もあります。
本記事では、不動産売買や贈与・相続などの理由で所有権移転登記をする際の基本的な流れや必要書類、発生する費用について解説しています。
登記手続きの流れや必要な費用を把握したい方や、自分で手続きを進めようか検討している方はぜひご覧ください。
所有権移転登記とは、不動産の所有権に変更があった際におこなう登記手続きです。
不動産売買であれば、不動産の所有権は売主から買主に移転します。この際におこなう不動産登記が「所有権移転登記」です。
そもそも不動産は「登記簿」と呼ばれる法務局が管理する公の帳簿(実際には電子記録)によって、不動産の概要や権利関係が記録されています。
この登記簿は一般に公開されているため、確認すれば所有者が誰なのかが明確にわかります。
また、不動産登記にはいくつかの種類があり、所有権移転登記はそのうちの一つです。
売買などで所有者に変更があった際、新たな所有者を登記することで、その所有者は対外的に所有権を主張できます。
売買後に所有権移転登記を行わないと、不動産の所有者が自分であることを証明できなくなります。
そのため、所有者に変更があった際には速やかに所有権移転登記を行いましょう。
所有権移転登記は、主に以下のようなタイミングで必要です。
それぞれ詳しくみていきましょう。
不動産売買は所有者が売主から買主に移転するため、所有権移転登記が必要です。
不動産売買は「不動産の所有権の売買取引」でもあります。
そのため、契約の締結や金銭の授受・不動産の引渡しだけでなく、最終的な所有権の移転まで行って取引が成立するのです。
一般的には、売買契約の締結から1ヵ月以内に引き渡しと決済・所有権移転手続きを同時におこなうケースが多いでしょう。
これは、一戸建てやマンションといった建物だけでなく土地も同様です。
なお、所有権移転登記は所有者の移転にともなう登記のため、中古の建物・土地が対象です。
新築の一戸建てやマンションを購入した場合は、最初の所有者として登記する「所有権保存登記」が必要になるので注意しましょう。
家の売却について、詳しくはこちらの記事で解説しているのでご覧ください。
家(不動産)を売るには?売却手続きや費用、不動産会社を選ぶポイントを解説
生前贈与とは、贈与する人が生きているうちにおこなう無償譲渡のことをいいます。
それに対して、死後に財産を引き継ぐことが相続です。
生前贈与も相続も、不動産の所有権が譲る人から譲られる人に移るため、所有権移転登記が必要です。
贈与・相続を原因とした所有権移転登記は、それぞれ贈与登記、相続登記と呼びます。
なお、相続登記については令和6年4月1日から義務化されており、相続後3年以内に登記しない場合はペナルティが科せられるおそれがあります。
参考:東京法務局 「相続登記が義務化されました(令和6年4月1日制度開始)~なくそう 所有者不明土地 !~」
また、令和6年4月1日以前の相続もペナルティの対象となるため、これから不動産を相続する人だけでなく、すでに相続しているものの、まだ登記をしていない人も速やかに相続登記するようにしましょう。
贈与登記は義務化されていません。
しかし生前贈与後に登記手続きを怠っていると、その間に贈与した人が死亡し、所有権が証明できないなどのトラブルに発展するおそれがあります。
生前贈与を受けた場合は、トラブルを避けるために口約束ではなく贈与契約書を作成したうえで、速やかに所有権移転登記手続きをおこなうことが大切です。
不動産の名義を夫婦で共有していた場合、離婚後に単独名義にするケースがあります。この場合も所有権移転登記が必要です。
また、離婚にともなう財産分与の結果、名義人でない方が家の所有権を持つケースもあります。この場合も、所有権移転登記が必要になります。
裁判を経ずに離婚した場合、所有権移転登記は夫婦共同での申請が必要です。
離婚をしてから相手と連絡が取れない・協力的でないというケースも少なくないので、早めに手続きをしましょう。
所有権移転登記は、申請から登記完了まで1~2週間ほどかかります。
集めなければならない書類もあるので、全体の流れを押さえたうえで、早めに用意しましょう。
所有権移転登記の基本的な流れは以下のとおりです。
所有権移転登記では、申請書類や登記済権利証などいくつかの書類が必要です。
具体的な書類はこちらを参考にしてください。
書類は司法書士に依頼して収集する方法もあるので、自分で書類を集めるのが難しいという人は司法書士への相談を検討すると良いでしょう。
不動産のあるエリアを管轄する法務局に必要書類を提出します。
申請手続きは郵送やオンラインも可能ですが、窓口申請であれば書類の不備などをその場でチェックしてもらえます。
自分で申請する場合は、窓口を利用したほうが修正の時間を短縮できるのでおすすめです。
また、申請時には手数料である「登録免許税」の支払いも必要です。
登録免許税額は、こちらを参考にしてください。
登記申請後、法務局が書類を審査します。
不備がある場合は、修正などの指示があるので速やかに対応しましょう。
書類に問題がなければ、所有権移転登記が完了です。
所有権移転登記が完了したら、法務局から登記完了済証・登記識別情報通知が送付されます。
登記事項証明書が必要な方は、受領後に法務局で取得しましょう。
登記完了済証は登記を完了した旨を通知する書類です。今後の売買手続きなどで利用することはありません。
一方、登記識別情報通知は不動産の所有者を証明する重要な書類です。
登記識別情報とは、従来の登記済証に代わって発行される12桁の符号で作成されたパスワードのようなものです。売買や登記時に所有者の証明や本人確認として利用します。
数字自体に効力があるので、受領後は第三者に見られないように厳重に管理することが大切です。
また、紛失した場合は再交付してもらえないため大切に保管しましょう。
所有権移転登記では、前の所有者と新しい所有者それぞれが用意しなければならない書類があります。
また、所有権移転登記する理由によっては追加で必要になる書類もあるので注意しましょう。
ここでは、売主・買主・相続人それぞれが用意する主な書類を解説します。
売買の売主、または生前贈与の贈与者が用意する書類は以下のとおりです。
| 書類名 | 内容 | 入手方法 |
|---|---|---|
| 登記事項証明書 | 登記簿の内容を複写した証明書 | 法務局の窓口やオンライン申請 |
| 不動産登記申請書 | 申請のための書類 | 法務局の窓口や法務局のサイトでダウンロード |
| 登記原因証明情報 |
登記の原因を証明する書類
|
取引時に取得し自分で保管している |
| 登記済権利証または登記識別情報 | 登記上の所有者を証明する書類 | すでに取得し保管している |
| 印鑑証明書と実印 | 発行から3ヵ月以内の印鑑証明書 | 自治体の役所窓口 |
| 固定資産評価証明書 | 不動産の価値を証明する書類 | 自治体の役所窓口 |
| 本人確認書類 | 運転免許証やマイナンバーカード・パスポートなど | 本人が所有している |
| (委任する場合)委任状 | 代理人に委任して申請する場合 | 自分で作成するか法務局の窓口やサイトでダウンロード |
| 住民票の写し | 登記簿上の住所と異なっている場合のみ必要 | 自治体の役所窓口やコンビニ |
売買の買主、または生前贈与で受け取った人が用意する書類は以下のとおりです。
| 書類名 | 内容 | 入手方法 |
|---|---|---|
| 印鑑証明書と実印 | 発行から3ヵ月以内の印鑑証明書 | 自治体の役所窓口 |
| 住民票の写し | 現住所の確認書類 | 自治体の役所窓口かコンビニ |
| 登記原因証明情報 |
登記の原因を証明する書類
|
取引時に取得し自分で保管している |
| (委任する場合)委任状 | 代理人に委任して申請する場合 | 自分で作成するか法務局の窓口やサイトでダウンロード |
| 本人確認書類 | 運転免許証やマイナンバーカード・パスポートなど | 本人が所有している |
相続で所有権移転登記をする場合、遺産分割協議書や遺言書・相続関係を証明する書類などが必要です。
主な必要書類は以下のとおりです。
| 書類名 | 内容 | 入手方法 |
|---|---|---|
| 登記事項証明書 | 登記簿の内容を複写した証明書 | 法務局の窓口やオンライン申請 |
| 不動産登記申請書 | 申請のための書類 | 法務局の窓口や法務局のサイトでダウンロード |
| 登記原因証明情報 |
登記の原因を証明する書類
|
自分で保管している |
| 登記済権利証または登記識別情報通知 | 登記上の所有者を証明する書類 | すでに取得し保管している |
| 印鑑証明書と実印 | 発行から3ヵ月以内の印鑑証明書 | 自治体の役所窓口 |
| 固定資産評価証明書 | 不動産の価値を証明する書類 | 自治体の役所窓口 |
| 本人確認書類 | 運転免許証やマイナンバーカード・パスポートなど | 本人が所有している |
| (委任する場合)委任状 | 代理人に委任して申請する場合 | 自分で作成するか法務局の窓口やサイトでダウンロード |
| 住民票の写し | 現住所を証明するために必要な書類 | 自治体の役所窓口やコンビニ |
| 被相続人の戸籍謄本 | 被相続人の出生から死亡時までがわかる戸籍 | 自治体の役所窓口 |
| 相続関係説明図 | 被相続人と相続人の関係性がわかる書類 | 自分で作成する |
| 相続人の戸籍謄本 | 相続人本人であることの証明 | 自治体の役所窓口 |
所有権移転登記では、以下のような費用がかかります。
それぞれ詳しくみていきましょう。
登録免許税は、不動産登記時にかかる税金です。
登記申請時に窓口で支払う手数料のような税金といえるでしょう。
所有権移転登記は、登記する理由によって税率が異なります。
| 登記理由 | 土地にかかる税率 | 建物にかかる税率 |
|---|---|---|
| 売買(建物は競売も含む) | 不動産評価額×2% | 不動産評価額×2% |
| 相続・法人の合併・共有物の分割 | 不動産評価額×0.4% | 不動産評価額×0.4% |
| その他(贈与・交換・収用・土地の競売など) | 不動産評価額×2% | 不動産評価額×2% |
参考:国税庁 「No.7191 登録免許税の税額表」
なお、土地・住宅用家屋の売買による取得の場合、令和9年3月31日までの登記は土地1.5%、住宅用家屋0.3%への軽減を受けられます。
登記手続きを司法書士に依頼した場合、司法書士への支払手数料が必要です。
支払手数料の金額は依頼する司法書士や依頼内容によって異なりますが、売買にともなう所有権移転登記の場合、2万円~8万円が目安となります。
司法書士に依頼することで、自分で書類を収集したり法務局に出向いたりする手間を省けます。知識がなくてもスムーズに手続きができるので、手続きに自信がない方は依頼を検討すると良いでしょう。
その他の諸費用としては、以下のような費用が挙げられます。
住民票や戸籍謄本など提出する必要書類を取得する際には、各窓口で1通あたり300円~900円程度の費用が必要です。
交通費などを含めた実費は1~2万円が目安となります。
登記手続きは自分でおこなうことも可能です。自分でおこなうことで司法書士費用を抑えられるというメリットもありますが、基本的には司法書士への依頼をおすすめします。
登記手続きには必要な書類が多く、書類の作成などの手間がかかります。さらに、書類に不備があれば再提出が必要になるなど、時間がかかってしまうことがあります。
また、平日の開庁時間に合わせて法務局に出向くのが難しい方も多いでしょう。
司法書士であれば書類の取得から申請まですべて代行してくれるので、手間を大きく省けるうえに、手続きを不備なくスムーズに進めることが可能です。
登記する不動産が投資用や業務用であれば、司法書士費用は経費計上できるというメリットもあります。
所有権移転登記は滞りなく手続きを進めないと不動産の所有権を主張できず、トラブルになるおそれもあります。
費用がかかっても確実に手続きを進めてくれる司法書士への依頼を検討すると良いでしょう。
売買や相続・贈与などで不動産の所有者が変わったら、所有権移転登記で新たな所有者を明確にしなければいけません。
所有権移転登記をしないと、新たな所有者が所有権を主張できず、トラブルになりかねません。
所有権移転登記は自分でもできますが、基本的には司法書士に依頼することをおすすめします。
この記事で紹介した登記の流れや必要書類・費用を参考に、スムーズに登記手続きをできるようにしましょう。
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